大判例

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東京高等裁判所 昭和30年(ネ)1813号 判決

よつて控訴人等が右賃借権を取得しうるや否やにつき案ずるに、罹災都市借地借家臨時処理法(同法第二条、第三条、第九条)において優先賃借の申出を許したのは罹災者で建物築造の資力と意図を有する者に対し速かに旧建物の敷地につき借地権をえさせて建物を築造せしめ、それによりその居住の安定を図ると共に罹災地の復興を促すことを目的としたものであつて、権原により現に右土地を使用する者が存する等のためその土地の上に建物の築造が困難な状況にある場合(同法第二条第一項但書)には右申出を許さない趣意と解するのが相当である。而して控訴人等が右賃借の申出をなした昭和二十三年九月十一日当時本件土地は連合軍により無期限に接収され軍はその地上に建物を所有して本件土地を使用していた(旧土地工作物使用令により昭和二十年中から使用していた)ことは当事者間に争いのないところである。これによれば右土地は原判決理由の説明のようにその頃控訴人等においてこれを使用し建物を築造することは極めて困難な状況にあつたものというべきである。

従つてこのような場合に控訴人等が本件土地につきなした賃借の申出はその効力を生じえなかつたものと見るの外はなく、控訴人等は右土地につき賃借権を取得しえないものというべきである。

(牛山 岡崎 渡辺一)

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